林業向け軽量測量システム開発・販売から始まり農・林・海業界向けGNSS・GISなどとの連携によるマッピングシステムを展開する株式会社ティンバーテック様にティンバー農園製品群について寄稿していただきました。

Ambientを利用している事業の概要

農業の場合、ダメだった時に、振り返ることで失敗原因がわかる場合が多々あります。花が落ちる、実がつかない、そのような時に、蕾ができたとき、開花したときの環境値が記録されていると分析に役に立ち、次への糧になります。

ただ、それらを記録する費用や専用機器が高価で躊躇している農家が多いことがわかりました。さらにインタビューしているうちに、価格はもちろん、そのような技術は、難しい、面倒ということを考えていることがわかりました。

そこにちょうどIoTマイコンの普及とこのAmbientの登場で、低コストに開発・提供できる道筋が立ち、使用者の知識レベルを考慮することなく普段運用を全く意識せずとも永続的に記録を続け、簡単に記録をたどれることができるようになったと確信しました。

そして完成したのがこれら製品です。

  • 農業ハウス向け 環境計測器KS-THP1(http://farm.timber.co.jp/product/ksthp1.html)

環境計測器KS-THP1は農業ハウスに必要な温度・湿度・気圧・土壌水分・土壌温度・Co2・日射量・降雨・風を簡単にAmbientに記録するシステムです。Ambientを経由することでいつでもどこでも計測値にアクセスできます。

環境計測用のセンサー群

  1. 温度湿度気圧
  2. 簡易電導度
  3. 土壌水分
  4. 土壌温度
  5. Co2
  6. 日射量
  7. 降雨
  8. 風向風速
  • 農業ハウス向け 自動開閉器KS-THP1-M(http://farm.timber.co.jp/product/ksthp1m.html)

自動開閉器KS-THP1-Mは、環境計測器KS-THP1の全機能を包括し、さらに環境制御(開閉モーターによる自動換気)を行えます。また天候急転などで離れた農地を持つ農家などが大変な思いをしていた双方への行き来を、ネットワーク機器の特性を生かした遠隔操作などにより、さらなる省力化を実現しました。

Ambientの利用方法

Ambientにアカウント、チャンネルを作って頂き、設定アプリにてAmbientのチャンネルIDとライトキーを設定するだけで、データの蓄積が始められます。

さらに弊社はAmbientへのアクセスをスマートフォンの専用アプリ化したことでさらに簡便にAmbientを使用できるようにしました。

実際にこのシステムを導入した農家様からは以下のようなご意見をいただいています。

アンビエントの感想です。

  • 良かった点
    今年の初夏、気温が低い日曇りが続き、キュウリの病気が広がりました。原因が分からず、色々調べているところで、「湿度と温度の関係は?」と思い、時系列でみていたところ、夜間の湿度が高いことに気が付きました。昼間は意識して湿度管理もするけど、夜間は開閉器にお任せだったので、この記録から、夜間の湿度制御を取り入れ、総合的効果で病気から回復しました。
  • 悪かった点
    時系列でみるときに、何月何日を振り返りたいのに、コマ数で戻すからわからなくなる…と相談した件。これについては解消されて良くなりました。
  • 助かった点
    良かった点と同様ですが、記録の振り返りは大事です。なぜそうなったのか、天気の記録だけでは考察不十分で、外気温とハウス気温の差、もしくは変化で、今季の総合的な評価ができます。