Co2ロギングメーターによる3密、換気対策の事例について株式会社サイバネテック様に寄稿いただきました。

事業者概要

株式会社サイバネテックは福岡県直方市にて電子機器の設計開発を行っている会社です。

普段は工場の生産ラインなどで使用される自動検査システムの設計開発を主に行っております。マイコンを採用した組込み型の専用検査機器の開発などが得意な分野です。コロナ渦において3密対策や換気が推奨されるなか、自社の技術で何か地域の皆様の助けになるような製品が開発できないかと考えCo2センサーを採用した3密対策の製品を開発しました。

Co2は人が呼吸することで排出されますので密閉された空間で、室内の人数増加や、声を出すなど活動が活発になると濃度が上昇します。上昇したCo2濃度を下げるには換気が必要ですので濃度が高い状態が長時間続いているということは人数が多い【密集】もしくは換気が出来ていない【密閉】空間である可能性が高いと考えられます。

Co2は感染症などのリスクを抑えるために国が推奨する空気環境衛生基準の項目の1つにも定められており厚生労働省の基準では室内のCo2濃度を1000ppm以下にすることが望ましいとされています。

IoTを利用した遠隔でのCO2測定の要望

弊社は直方市が進めております「直方市IoT推進ラボ」の活動に参加させて頂いており、その中で遠隔地からCo2ロギングメーターの測定値を確認できるIoTシステムの開発が出来ないか?という要望を頂きました。

弊社は組込み機器開発の技術、知識はありますがクラウド側の技術について十分な知識がない中でシステムの実現に向けて考えておりましたところアンビエントデーター株式会社様が提供するIoTデーター可視化サービス「Ambient」の存在を知りました。

Ambientを採用した理由

「Ambient」では接続に必要な技術情報なども開示されておりましたのでそれらを参考にさせて頂くことでIoT機能を追加した試作機を短期間で実現することが出来ました。

「Ambient」を使用する上で必要になるマイコン側プログラミングとデーター送信部分を本製品に組み込んだ状態となっていますのでお客様には「Ambient」の登録を行って頂いてデーター送信に必要な「チャネルID」と「ライトキー」を取得し本製品に入力頂くだけでIoT機能の利用が可能となっております。

「Ambient」はフリーミアムサービスなのでこれからIoTシステムを導入されたいと考えられている方にもおすすめしやすいサービスであると考えています。フリーで利用できる基本機能もシンプルでありながらデーター可視化において十分な機能が備わっており、弊社が当初考えていたIoTシステム部分をほぼ実現できています。

今後は福岡県内の幼稚園にてIoT対応のCO2ロギングメーターを導入頂いて実証テストを行ったのち、製品化に向けての検討を進めていく予定です。

導入事例

今回開発したIoT対応のCO2ロギングメーターの導入事例です。

「納入先紹介」学校法人瑠璃学園 認定こども園 瑠璃幼稚園様 福岡県 糸島市

ある日の測定データー(Ambientにて確認)

ある日の幼稚園でのCo2濃度、温度、湿度のグラフです。厚生労働省が推奨する1000ppmを越えた状態が長く続かないようにCo2濃度が高くなりはじめると換気を実施されていることが分かります。
本製品ではCo2濃度値によって3段階の状態表示を行っていますがグラフからではそこまで読み取ることが難しいので状態表示のデーターもアンビエント側に送信して可視化できるようにしています。
上記のグラフと同日の状態表示データーが下記になります。

1日の運用の中で警戒の状態(1000ppm越え)は短時間であることが簡単に判別できます。

下記状態表示のCo2閾値(デフォルト設定での運用)

  • 通常:700ppm以下 
  • 注意:700ppm越え~1000ppm以下 
  • 警戒:1000ppm越えた場合

園長先生に製品の導入意図や今回IoT対応品を選ばれた理由について伺っております。

【IoT対応品を選ばれた理由】

あらゆる面でIoT化が進んでおり、今後のことを見据えてIoT機能を選択。

【遠隔でのデーター確認機能のメリット】

現場の先生・園児だけでなく、第三者からも換気を促す事が出来るではと考えている。

【その他】

CO2ロギングメーターを導入して園児たちに換気のタイミングを体感してもらい、将来的には、数値を見なくても感覚で換気のタイミングが分かるような教育をしたい。