大学の研究でAmbientを活用している事例を紹介します。

慶応大学理工学部物理情報工学科 松本研究室

松本教授の研究室では、センサやセンサ回路技術、センサネットワークの研究と、それを活用した放射線、PM2.5などの環境情報の可視化など、幅広い研究をされています。

環境情報の観測

研究室を訪問したときは、独自開発したIoT端末でPM2.5などの環境情報を観測し、ルワンダ、ウガンダなど東アフリカの環境改善に役立てる取り組みを発表された(日刊工業新聞 2019年8月27日 https://www.st.keio.ac.jp/clips/20190829_01.html)タイミングで、そのお話を中心に、IoTセンサー端末の開発や、環境情報の測定などのお話を伺いました。

上の写真はルワンダに設置中の装置写真とその内部です。ケースの下についている青い箱がPM2.5のセンサー、赤いボードがマイコン、その左が温度、湿度、ガス(NO2)のセンサーです。この端末は15分に1回の間欠駆動を行う事で太陽電池とLi-ion電池で動作し、測定したデーターは3GやWi-Fiでクラウドサービスに送ります。マイコンやPM2.5センサーは市販のものを使っているそうです。

データーを受信、蓄積、可視化するサービスとしてAmbientを使っていただいています。国内数カ所に加え、ルワンダ(Wi-Fi回線)やウガンダ(3G間欠駆動回線)からもインターネット経由でAmbientまでデーターを送り、可視化しているとのことでした。

また、複数の場所で測定した環境データーを比較したり、相関を調べたりするために、Ambientに蓄積したデーターを、Pythonで読み出し、データー処理をしているとのことでした。Ambientはデーターを読み出すPythonライブラリーがあり、データー分析をするときに便利だと評価いただきました。

東アフリカでは自動車の普及が進み、大気の状況が悪化しており、環境の観測、改善が必要とされているとのことでした。

大学での研究の場で、ツールとしてAmbientをご活用いただいている事例を伺うことができ、参考になり、かつ刺激になりました。いくつか宿題もいただいたので、今後の機能強化の参考にさせていただきます。

取材にご協力いただいた慶応大学理工学部の松本教授に感謝いたします。